グループ展「Chemical X」

2025年6月14日より木之庄企畫では異なるアプローチと視点を持つ4名の作家によるグループ展「Chemical X」を開催致します。

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それぞれの作家が描き出すのは、幻想と現実、デジタルとアナログ、可視と不可視の境界線。
艶やかで官能的な筆致、ポップカルチャーとピクセルの再構築、激情がほとばしる色彩の渦、そして静謐でありながらどこか不穏な夜の風景。
交わるはずのなかった表現が「X」として交差し、ひとつの空間の中で構築される予測不能な世界をこの機会に是非ご高覧下さい。

グループ展「Chemical X」
出展作家
neko・tsubura・山田太郎・相沢僚一
2025年6月14日(土)~6月27日(金)
営業時間 12:00~18:00
休廊日 日曜日、月曜日

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neko Instagram(@0n0e0k0o)

現代アーティスト、キュレーター。
デジタルで制作した作品を紙にプリントし、その上からパステルやクレヨン、アクリルなどで加筆して制作している。描かれた人物が笑っているのに、どこか哀しさや暴力性が潜んでいるように見えるのは、作家曰くこの人物たちを自分の中の文脈から読みほどいていくと全て幽霊に繋がるという理由からなのかもしれない。

2000 年代後期
カオスラウンジの前身「ポストポッパーズ」結成メンバーとして美術界にデビュー。しかし初期に脱退。その後 10 年ほどオフラインから姿をくらます。
その後 2020 年。コロナ禍開始と共に美術コレクター飯島モトハ氏の支援で再び美術界へ戻る。
2021 年には自身が請け負うキャラクターアート文脈の行く末と新たな提案を入口として日本の現代美術へ潜伏し広く小気味良い土地を発掘する為にグループ展「お泊まり会」を企画する。2024 年にはその続編企画「舞踏会」を発案、運営した。

個展
2023 「孤独のドレス」(町田センタービル/ 町田)
2022 「かけおち」(Soil/ 吉見町)
2021 「アマテラス」(LIGHTHOUSE GALLERY/ 両国)
2021 「お見舞い」(新宿眼科画廊/ 新宿)
2020 「幽覚媒旬」(rusu/ 目黒)
2020 「憑くもの」(River Coffee & Gallery/ 東大前)

グループ展
2024 「舞踏会」〔planning, curation〕(小金井シャトー2F/ 武蔵小金井)
2024 「tentacity : 執着」(medel gallery shu/ 原宿)
2023 「空き地」(扇屋/ 鎌倉)
2022 「Tokyo Colurs」(TOKYO PARK/ England)
2022 「addiction」(A4画廊トーキョー/ 台湾)
2021 「お泊り会」〔planning, curation〕(rusu/ 目黒)
2021 「Japanese Group Show」(GALLERY JO YANA/ France)
2021 「祈り」(Meee gallery/ 中野)

本展覧会「Chemical X」は奇しくもキャラクターモチーフを扱う(ように見える)作家の集合である。
キャラクター達の実感は物語上の相互関係によって深まるので私個人のステートメントもそのように綴ってみる。

「キャラクター」には様々な意味合いが含まれるが美術における多くの「キャラクターアート」は自国のサブカルチャー、中でも漫画、アニメやゲームの物語に生きてきた者達を美術文脈に絡ませた芸術を指す。
西洋の古典から近代に至るまでの美術は繰り返し各国の文化に基づいた神話や宗教観においてある種の人では無いキャラクター達が主軸に描かれてきたのだが、それらは肉感的、官能的な身体を背徳的に有してきた。
その要求が高まりきった19世紀にはついに現代の人々が「人間」として美術モチーフ化された。

このような流れは現代美術のキャラクターアートにもある。
スーパーフラットは戦後日本のイコンとしてオタク文化のキャラクター達を記号的に扱ったし、カオスラウンジはゼロ年代後期のネット文化をグリッチされたキャラクターで象徴した。
一方でコロナ禍に発生した「お泊まり会」展とその流れを汲む「舞踏会」展は抑圧された社会状況と各々の孤独に対する呼吸口としてキャラクターをより実感的に扱った。
これらのコレクティブは記号的だった美術のキャラクターが身体を強く持ち人間性を伴う契機となったが存在の依り代は未だ深く埋没している。

美術史を物語とした場合、美術展はその場面として捉えられるが本展はそのリアルタイムな一幕である。
今回もまたキャラクター達はささやかに絡みあうが、それはまるで発掘途中の遺跡に舞う幻影のようだ。

ここでようやく私個人の作家ステートメントに繋がるが、要するに私の作家性はそのようなキャラクターと呼ばれし者達を身体に降ろすシャーマニズムである。
キャラクターアートは私にとって「私達の物語」であり、私個人の霊媒は美術において私と私のモチーフのみで語る事ができない。
私に憑依する者達はキャラクターアートの展示をかつて在った筈の(今も何処かで在り続ける)広大な故郷へ向かう旅路に思っていそう。
そこはもしかすると美術より深く、美しい場所なのかもしれない。

5@2x tsubura

tsubura Instagram(0yen____)

2002年福岡県生まれ
2021年東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻領域入学
2025年同大学卒業

tsuburaは、自身が生まれる前のサブカルチャーおよび1990年代から2000年代初頭の商業アニメーションやゲームから強い影響を受け、そこからインスピレーションを得て作品を制作している。大学在学中は「ピクセル絵画とキャラクターとの関係性や調和性」について研究を重ね、作品制作を通して独自の表現を追求してきた。
tsuburaのキャラクターはすべてオリジナルであり、名前や特定のモデルを持たない。彼らは、tsubura自身がかつて経験したいじめや人間関係のトラブルなど、「曖昧な記憶」や「思い出したくない記憶」をベースに生み出された存在である。こうした記憶はすでにぼやけており、明確に語ることは難しいが、その“曖昧さ”こそが作品の核となっている。
ピクセルという荒いデジタルの描写は、記憶の解像度の低さや、心に残る不確かな印象を象徴している。キャラクターたちは、まるでアニメのワンシーンのように描かれ、tsubura自身の人生に登場してきた人物たちの象徴として画面に現れる。
在学中には、映像合成に用いられる「グリーンバック」を絵画に援用した《グリーンバックシリーズ》を発表。緑一色の背景は「背景の欠如」を表現し、鑑賞者に「このキャラクターはどこにいるのか」「どんな状況なのか」といった想像を促す。視覚情報の“欠落”は、記憶の曖昧さとも重なる要素として機能している。
大学卒業後は、キャンバス作品だけでなくドローイング制作も積極的に展開。特に近年では、すでに生産終了となった既製品カセットテープやMDなどを支持体として用いたドローイング作品群を発表している。これは、現代社会における“世代交代”や“時代の移り変わり”に対する感覚から生まれたものである。tsuburaは、「モノは進化し、やがて未来へと受け継がれていく」という考えのもと、過去と現在、そして未来をつなぐような制作を志向している。
また、近年の作品では1960年代のモノクロテレビアニメーションに影響を受けたモノクロ描写を取り入れている。モノクロ表現はtsuburaにとって“過去を表す手法”であり、記憶や時代性を視覚的に示唆する重要な要素である。ZOKEI展で発表した作品の縮小・再構成版も、モノクロによる新たな解釈が加えられ、記憶と時代の交差点として提示されている。
tsuburaの作品は、過去の曖昧な記憶を起点に、ピクセルというデジタル表現を用いながら、常に「場所・時間・人物」との関係性を再構築する試みである。それは同時に、個人史とサブカルチャー、記憶と社会、過去と未来をつなぐビジュアル・アーカイブでもある。

主な展示参加歴
2022年 SUMMER GROUP SHOW(THE blank GALLERY)
2023年 origine(工房親)
OverWhelm(THE blank GALLERY)
2024年 ドローイング展せいめい(JITSUZAISEI)
すっごいグループ展!少女たち(新宿眼科画廊)
NIGHT OUT GALLERYキュレーション展 FACES(アメリカ橋ギャラリー)
2025年 2024年度東京造形大学ZOKEI展(東京造形大学)
第48回東京五美術大学連合卒業・修了制作展(国立新美術館)
絶対領域みゅーず(新宿眼科画廊)
ドローイング展せいらん(新宿眼科画廊)

受賞歴
2024年度東京造形大学ZOKEI展ZOKEI賞受賞

イベント参加歴
SHIBUYA 109 40周年記念アートプロジェクト LOVE ART LAB.

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山田太郎 Taro Yamada Instagram(ayso_c_in)

作家ステートメント:
私は平面表現の領域(絵画、版画、デジタルイラスト)を行き来しながら、作品制作をしています。主に実際に訪れた場所をモチーフとし、見える世界と映す世界の間で、モノ同士の境界線について思索しています。

略歴
2001年生まれ、茨城県出身。

2024年武蔵野美術大学大学院版画コース2年に在学中。

SUNABAギャラリー(大阪)、木之庄企画(東京)、シロタ画廊(東京)にてグループ展、

MEDEL GALLERY SHU(東京)にて個展開催。

GEISAI#22 & Classic東京ビッグサイト(東京)に出展、審査員賞を受賞。
その後副賞としてHidari Zingaro(東京)にて個展開催。

また、大丸東京や松屋銀座、Kiaf SEOULなどのアートフェアにも参加。

横顔_焔と共に墜つ

相沢僚一 Ryouichi Aizawa Instagram(ry.1_a)

美術作家。
主に絵を描きつつ技法にとらわれない表現に向け制作している。現在、「モノは全て永遠には残らない」という自らの考えを基に植物に絵具を垂らしたり、死んだ飼い犬を象った陶芸作品などを制作している。

【展示歴】
出展歴
【主な個展】
2022 「ピリオドのPHANTOM」(LIGHTHOUSE GALLERY/東京)
2021 「Plan to annihilation」(新宿眼科画廊/ 東京)
2020 「ゲームしかしてない」(仮面屋おもて / 東京)
2019 「MILD EXTINCTION」(新宿眼科画廊 / 東京)
2018 「AFTER LIFE」(ルミエールセンター / 愛知)
2017 「作品はネバーデッド」(麻布BOOK&GALLERY / 東京)

【グループ展】
2025 『ドローイング展せいらん』(新宿眼科画廊 /東京)
2025『散らかしガーデンプレイス』ChirakashiGardenPlace(アトリエ・サロン-コウシンキョク/東京)
2025『いつかまた還帰ってくるために、ここにポータルを建てよう』(新宿眼科画廊 /東京)
2025 第6回芸術ハカセは見た!『伊丹小夜ぼくのともだち』(徳島城博物館/徳島)
2024 『now loading…』(River COFFEE&GALLERY /東京)
2024 『静かに息づく本棚のWhisper。』(コ本や/東京)
2024 『新木場&夢の島わくわくおさんぽアートフェス2024』(新木場駅周辺/東京)
2024「⟪pie☆SUMMER☆FEVER vol.2: Last summer vacation⟫」(pie/韓国 明洞)
2024『2024 Seoul Popcon (2024 Seoul Pop Culture Convention)』(COEX/韓国 ソウル・三成洞)
2024 「signs of existence」(新宿眼科画廊 /東京)
2024 「大きい絵」(新宿眼科画廊 /東京)
2024 「芸術の植生」(リブ・アート ギャラリー/ 愛媛)
2024 「ドローイング展せいめい」(JITSUZAISEI/大阪)
2024 「空間彩添」(aL Base/代々木)
2024 芸術ハカセは見た!5「芸術の植生」(徳島城博物館/ 徳島)
2023 「TRI!アングル 」(aL base/ 東京)
2023 「人形と仮想:Figure and Virtual 」(miaki gallery/ 東京)
2023 「Advanced Obsession 」(anicoremix galery/ 東京)
2023 「棒と仮面 」(仮面屋おもて/ 東京)
2023 「「狗」犬展・狗楽園コラボ展 」(新宿眼科画廊 / 東京)
2023 「로컬! ローカル! 」(pie 、三Q / 韓国 明洞)
2023 「ドローイング展はつはる」(新宿眼科画廊 / 東京)
2022 「キャラべスク -スカーレット-」(根津カレー ラッキー/ 東京)
2022 「−Silent Rhapsody−」(THE blank GALLERY / 東京)
2022 「キャラべスク」(日和坂アート研究舎/ 宮城)
2020 「Neighboring garden」(新宿眼科画廊 / 東京)
2020 「新宿online」(新宿眼科画廊 / 東京)
2020 「LIFE WORK 2020」(愛知県芸術文化センター / 愛知)
2019 「四月の人魚」(ゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエ / 東京)
2018 「LIFE WORK2018」(愛知県芸術文化センター / 愛知)
2018 「バリュープライス」(いりや画廊 / 東京)
2017 「SAIKO ART FESTIVAL ’17」(西湖 / 山梨)
2017 「逆襲のくちくち 復讐のめろえる」(Pocke / 東京 )
2016 「しゃがみ弱パンチ美術館 52Hz 津島」(愛知)
2016 「奥村直樹ノ友達展」(DESK/okumura / 東京)
2016 「BARRACKOUT」(旧松田邸 / 東京)
2015 「しゃがみ弱パンチ美術館 52Hz,homing」(なかのZEROギャラリー / 東京)
2015 「”KITAJIMA,KOUSUKE”#11 〜台風のくれたテーブルにつけ〜」(カタ/コンベ / 東京)
2015 「しゃがみ弱パンチ美術館 52Hz」(コザクロ 沖縄)
2015 「”KITAJIMA,KOUSUKE”#09 〜椀Q松山翌の噂〜」(カタ/コンベ / 東京)
2015 「TAGBOAT ART FES2015」(ヒューリックホール / 東京)
2015 「東京五美術大学卒業制作・修了制作展」(国立新美術館 / 東京)
2015 「しゃがみ弱パンチ美術館 52Hz」(多摩美術大学 / 東京)
2015 「2014年度多摩美術大学卒業制作展」(多摩美術大学 / 東京)
2014「第10回世界絵画大賞展」(東京都美術館 東京)
2014 成城少女シルナベ「La Shiru Mode」(原宿デザインフェスタギャラリー 東京)
2014 成城少女シルナベ「あの女の子は誰」(原宿デザインフェスタギャラリー 東京)

企画
2023 「棒と仮面 」(仮面屋おもて/ 東京)
2023 「「狗」犬展・狗楽園コラボ展 」(新宿眼科画廊 / 東京)
2016 「BARRACKOUT」(旧松田邸 / 東京)

受賞歴
2014
第10回世界絵画大賞 協賛社賞 受賞
レジデンス
津島アートスケープ しゃがみ弱パンチ美術館(ルミエールセンター 愛知)

TARTAROS 個展「East End Girl」

TARTAROS 個展「East End Girl」開催

現代浮世絵×資本主義の対話 —— 北斎、歌麿と紙幣の邂逅

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会期:2025年5月17日(土)〜30日(金)
会場:木之庄企畫(東京駅 徒歩8分)
TARTAROS Solo Exhibition 「East End Girl」 Online store

木之庄企畫は、浮世絵と現代資本主義の象徴「紙幣」を融合させた独自のシリーズ「浮世絵紙幣絵画」の最新作を中心に構成したTARTAROS個展『East End Girl』を開催いたします。

北斎の波、歌麿の女性像、そして千円札と$紙幣──。
本展は、“東の果て(East End)”という視点から、資本と美の交差点に立つ現代的肖像を提示します。

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【スペシャルトークイベント】

「TARTAROSはどこから来たのか?」
登壇:TARTAROS(美術家)× 山本浩貴(文化研究者/キュレーター)
日時:2025年5月17日(土)16:30〜17:30(予定)
会場:木之庄企畫(入場無料・予約不要)

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「浮世絵紙幣絵画」はどこから来たのか?
作家自身のルーツ、資本主義と芸術の関係、そして今後の展望を、文化研究者・山本浩貴氏との対話を通して紐解く、親しみやすくも刺激的なトークセッションです。

【登壇者プロフィール】
山本浩貴(やまもと ひろき)|文化研究者
ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アーツ博士課程修了(PhD in Fine Art)。
ポストコロニアル理論、ビジュアルカルチャー、オルタナティブ教育を横断的に探究。批評執筆、展覧会企画、教育活動を通して社会と美術の接続を試みている。

【作家プロフィール】
TARTAROS(タルタロス)|現代美術家
沖縄在住。浮世絵と資本主義の象徴を結び、紙幣・金箔・アクリルなどを用いた「浮世絵紙幣絵画」シリーズを発表。東京・大阪・台北・ドバイなど国内外のアートフェアやギャラリーにて精力的に作品を展開。
Instagram:@tartarosjapan
Webサイト:https://tartarosjapan.com

【展示概要】
タイトル:TARTAROS 個展「East End Girl」
会期:2025年5月17日(土)〜30日(金)
時間:12:00〜18:00
休廊日:月曜
会場:木之庄企畫
〒104-0031 東京都中央区京橋2-11-11 宝永ビル101
Tel:+81-(0)3-6262-3558
URL:http://kinoshokikaku.jp
入場無料

【本件に関するお問い合わせ】
木之庄企畫(きのしょうきかく)
〒104-0031 東京都中央区京橋2-11-11 宝永ビル101
Tel:03-6262-3558
Mail:kinoshokikaku01@gmail.com
Web:http://kinoshokikaku.jp

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