グループ展「Evolution-2015-」

展示作家:H.K、森 洋史、宏二郎、矢倉屋佳弥、木村佳代子、松山 賢、山田航平、鶴川勝一、堀越達人、桑畑泰三、湯真藤子

展示期間:2015/12/05(土)-12/28(月) 11:00-19:00

展示会場:木之庄企畫

オープニングレセプション:2015/12/05 18:00 – 20:00

木之庄企畫では 12 月 05日から 12 月 28日までグループ展「Evolution-2015-」を開催いたします。

人類の最も古い絵画は洞窟の凹凸を利用して描いた壁画だと言われている。そして私たち人類文明の発展、つまり「進化」に伴い、洞窟から建物の壁、独立した板や布、紙へと移り変わり、今日、現代美術へと形を変えた。

作家たちは常に模索し、試行錯誤を重ね、創造しながら 「進化」 してゆく。 2015年木之庄企畫グループ展は、昨年のコンセプトである 「Reborn-再生」 を経て、目まぐるしく変化する世界の中、唯一無二な存在であり続ける作家たちと共に、成長して行きたいという思いを込めた 「進化-Evolution展」。木之庄企畫の壁面は作家たちの「進化」で彩られることでしょう。是非ご高覧ください。

「湯真藤子 個展」かわいそうなねこ

木之庄企畫では 11 月 07日から 11 月 28日まで湯真藤子の個展「かわいそうなねこ」を開催いたします。

十二支の起源にまつわる物語では、遥か昔中國の玉皇大帝が人々に干支を振り分けるため、
元日の朝、一番早く玉皇大帝の元に辿り着いた動物から順に干支に入れるという通達を受けました。自分たちの地位を向上させる機会を逃すまいと、どの動物たちも張り切って御殿へ向かう準備をしたのでした。

頭脳明晰な鼠はとっくに計画を立てており、前日から出発していた牛の背に飛び乗り、御殿の門が開いたと同時に牛の背中から降り、走って御殿に入ったので、早々に玉皇大帝の元に辿り着き、十二支の一番になりました。ところが猫は鼠が言った元日の次の日に辿り着かなければいけないという嘘を信じてしまい、のんびりと御殿に到着した時にやっと自分が遅れてしまったという事実を知ったのでした。こうして猫は十二支に入る機会を逃し、自分を騙した猫と天敵となるのでした。

これまで童話、神話、寓言を主軸にした創作を得意とする湯真藤子は、広く知られている十二支からインスピレーションを受けただけでなく、私たち誰もが知っている椅子取りゲームと十二支の座を獲得した動物たち、そして失意の猫を主役に迎え、それぞれのキャラクターを生かし、ドラマティックで濃厚な人物性を表現しています。

湯真藤子の手により十二支達は伝統的な寓言のイメージを覆し、豊満且つ妖艶で個性に満ちた美女と化したのです。彼女たちの表情はどの子も自信と驕りに満ちた笑顔と姿勢で自分がこのゲームの勝者であることを誇示しているようにみえます。それに引き換え十二支の座、つまり椅子を奪うことが出来なかった猫はというと、寂しそうに真ん中に佇み、自分の犯したミスによる自己嫌悪に打ちひしがれているのでした。

この勝者と敗者が鮮明に分かれている物語は、弱肉強食な社会に常日頃存在しているのです。学業、仕事、恋愛…誰もが己の目標を達成するために競争をしています。そして最後の最後になるまで誰が勝者か分らないし予測も出来ない、少し気を抜けば、自分の物かもしれなかった椅子が奪われてしまう。そう、それはまさに盛大な椅子取りゲームのように。

かわいそうなねこ、努力をしたのに一時の怠慢で栄光を掴むことができませんでした。もしかすると私たちもある時、または曾て失意と失望の中にいる可愛そうなねこだった瞬間があったのではないのでしょうか。

過ちにより悩み、苦しんだねこ。私たちにできるのは立ち上がり、過去を振り払い、自分だけの椅子を探し出すためにただひたすら運命に立ち向かう。しかし人生は遊戯とは違います、攻略法がないだけではなく、常に難題に悩まされ、様々な危険が潜んでいる。「肩の力を抜き、気軽な気持ちで人生の起伏に向かい合ってはいかがでしょうか?」湯真藤子の作品は私たちにそう訴えかけているようにも取れます。豊かな色彩と妖艶な人物描写はユーモアに溢れながらも強いインパクトで物語は構成されており、まさに湯真藤子自身の人生経験と感性から放たれるエネルギーを筆に込めたのです。

観る方は喜劇と悲劇が入り混じる構成に思わず微笑んでしまうのと同時に、彼女の人生に対する反省と悟りを感じることでしょう。